CHUEI MAGAZINE

vol.002

名神高速での3週間集中工事、中栄が担った「車線規制」は工事のかなめ!

2021.12.14

ウェブマガジン第2回のテーマは、2021年8月29日から9月18日に実施した名神高速道路の集中工事です!中栄の主な担当は、八日市~関ヶ原インター間の車線規制。道路清掃や舗装などの前後に必要で、工事のかなめです。

今回は、集中工事で現場サポート班に所属した種村直也さん(入社14年目)と植栽班に所属した安居優作さん(入社4年目)にお話を伺いました!

TTP
はじめまして、滋賀県立大学のTaga-Town-Projectです。よろしくお願いいたします!2021年の夏に3週間、名神高速道路の集中工事に参加されたと伺いました。集中工事とは毎年あるものでしょうか。
毎年ありますよ。中栄にとって集中工事は、積雪に備えて11月に執り行われる雪氷祈願祭や雪氷対策作業(除雪作業)に並ぶ2大行事のひとつです。ただ集中工事は、今までは5月にやっていて期間も2週間でした。8~9月に3週間の工事は今年が初めて。1週目は夜間通行、2週目は追い越し車線、3週目は車線全体に規制をかけました。
種村さん

2021年名神集中工事についての一般向けパンフレット

TTP
集中工事というと、大体いくつくらいの工程に分かれるのでしょうか。
大きく「現場工事」と「車線規制」の2つの工程があります。わかりやすく言えば、現場工事の前後に車線規制をする形ですね。
種村さん
TTP
全体像が少しわかりました!集中工事の規模はどれくらいですか。
集中工事は、私たち(中栄)と協力業者だけでも1日あたり約200~300人が携わる大規模なものなんです。インターの両端からドッキングするように車線を規制し、その範囲内での作業が終わり次第、規制を解除していきます。私たちが車線を規制しないと現場工事を始められないし、それがすべて終わるまで解除もできません。規制業務は、集中工事のかなめなんですよ。
種村さん
TTP
かなり重要な役割ですね!実際に集中工事の進み具合はどうでしたか。思いがけないトラブルなどのエピソードがあれば教えてください。
今年は大きなトラブルはなく非常に順調でした。車線規制に使うコーンが風で飛ばされたくらいですかね。台風にもぶつからなかったので助かりました。例年、余裕をもって1日前に集中工事は終わりますが、今年はそれが予定より2日早かった(9月16日)ほど。
種村さん
TTP
スムーズに終わって良かったですね!普段の作業と比べて、集中工事にはどんなメリットがありますか。
一番は、普段はできない作業を沢山こなすことができる点です。電光掲示板やトンネル内の照明の取り替え、道路の舗装、橋脚にある伸縮装置(橋脚が動くよう、部品のつなぎ目を伸縮させる)の調整といった現場工事は、それぞれの専門業者が集まって担当します。短期集中なので効率が上がるのはもちろん、年間の工事の回数も減るんですよ。
種村さん
TTP
確かにそうですね!お二人は具体的などんな作業をされたのですか。まず種村さんから教えてください。

株式会社中栄での取材の様子 右奥:種村さん 右手前:安居さん 左:TTPメンバー

私は現場サポート役なので、基本的には現場からのヘルプにあわせて出動していました。例えば、ガードレールの補修の手伝いですね。ガードレールの支柱を手作業で交換したんですが、支柱に使われるボルトがさびていると大変。久々だったから少し疲れました。
種村さん

ガードレール補修作業の様子

TTP
手作業での交換なんですね、知らなかったです!安居さんの植栽作業はどんな感じでしたか。
私は、高速道路の脇に生えている植物の剪定(せんてい)をしたり、除草剤をまいたりしました。いつもの作業は路肩のみで、対向車が来ないかどうかをつねに気にしながら。でも集中工事では、車線を24時間規制した中での作業だったので安全でしたね。
安居さん

ガードレールの補修工事が完了した高速道路

TTP
集中工事の際も、普段の部署と同じメンバーで作業をするのでしょうか。
基本的にはいつもの部署のメンバーです。1つの現場につき4~5人、多くて8~10人で班を組んでいましたね。私の班には19才とか若い子が多かったです。もともと現場サポート班に入っていた私も、最近は現場工事のほうに回っていました。なので今年は、若い頃と同じ作業を今の若い子と久々にすることになって、懐かしくもあり逆に新鮮でもありました。
種村さん
私は班の中で最年少でしたが、年齢層の幅は広かったです。私の次に若い方は、50代だったんです。
安居さん
TTP
そんなこともあるんですね!種村さんからみて集中工事は、若い人にとってどんな機会でしょうか。
良い勉強や経験になると思います。普段の車線規制だと4キロメートル程度ですが、集中工事だと1区間20キロメートルと長い距離。実際に、高速道路の交通警察隊と協議したり、規則どおりに標識や資材を配置したりと色々な経験ができます。
種村さん

集中工事のため閉鎖したインターチェンジ

ただ車線規制は本当に危ない仕事です。高速道路上でなくても気を抜けない仕事だなと思います。ちなみに、この取材後も規制業務に行くんですよ。
安居さん
高速道路はやはり一般道路とは違いますね。ものすごく早いスピードで車が走っている道路に出るのは身1つ。まずは自分たち作業員、次にお客さん(ドライバー)たちの安全を守らないといけないと思っています。
種村さん
とくに経験を積んで作業員を指揮する立場になると、責任が重くなります。自分の指示1つで誰かが命を落とす可能性もありますから。
種村さん
TTP
命がけの仕事なんですね。それでも今後、若い人に入ってきてほしいですよね。
ぜひ入ってきてほしいです。高速道路は物流のかなめで、その維持・修繕は結果が目に見える仕事。建設業はどうしても、若い人から嫌がられる傾向にありますが、どの業界にも役立つんです。集中工事の作業を通じて、他の業者の方と交流できるのも楽しいですね。
種村さん

高速道路の補修工事をする様子

今回は、ドライバーにもあまり知られていない、高速道路の集中工事の「裏側」をのぞくことができました。集中工事という文字を、テレビコマーシャルや新聞広告、サービスエリアの案内板などで今後目にした時に、ただの情報として受け取るのではなく、誰がどんな作業を進めているのか想像する視点をもちたいですね。

種村さん、安居さん、貴重なお話を本当にありがとうございました!